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■「図書館の壁の穴」/ 田圃
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第40回 イベントのお知らせ。

今回は、私が関わるイベントのお知らせを2つほど。

9/28(月)に、第7回Code4Lib JAPAN Workshopを仙台市で開催します。
お題は再び「新着雑誌記事速報を作ってみよう」。
6/13の潮来市立図書館の会で好評だった、ゆうき図書館スタッフの手づく
りお菓子つきのティータイムも催します。

  ○開催予告http://www.code4lib.jp/2011/09/526/

なお、このワークショップの終了後、夕方から仙台近郊の書店・出版関係
の方々にお声掛けして、交流会を行う予定です。

図書館員と書店・出版関係の方々とは、隣り合った業界ながら実際に接触
する機会は少ないものです。
ですからこの機に飲み交わし、一緒に何かを始めるきっかけの場になれば
幸いと思いつつ、現在準備を進めています。

近郊の書店・出版関係の方、またワークショップには参加できないけど夜
だけでも顔を出してみようという図書館員の方、こちらまでご連絡くださ
い。

  ○Code4Lib JAPAN事務局

 それともうひとつ。

 10月下旬に「図書館員が知らなければならない図書館システムをめぐる現
状について〜岡崎市立中央図書館事件の問題点とは?〜」というお題で研修
講師を務めさせていただく予定です。

 岡崎市立中央図書館事件とは、市民の方が岡崎市立中央図書館のWebサイ
トから、新着図書のデータを自動で取得するプログラムを実行した結果、同
サイトでの図書検索が利用できない状態になってしまい、その方が逮捕され
たという事件です。
 これは、図書館側のシステムに不備があったためで、市民の方が作られた
プログラムには実は何も問題はありませんでした。
もともとのシステムの不備に対応しなかったシステムベンダーと、ベンダー
に丸投げで何もわからず被害届を出してしまった図書館、専門知識がないま
ま事件にしてしまった警察、検察、裁判所の判断など、間違いが重なって逮
捕に至った事件だと、私は理解しています。

 事件からこのことについて、語ったり書いたりした公共図書館員は、まだ
数少ないので、講師役の私は結果的に火中の栗を拾うことになるでしょう。
 そんな様子も眺めてみたい(?)という方は、気軽にお越しいただければと
思います。

※ 主催者からまだ正式にアナウンスが無いので、ここには書きませんが、
  こちらは某県内の図書館員さんを対象とした研修会です。
  発表され次第、私のブログhttp://d.hatena.ne.jp/t_rabiでお知らせ
  しますので、ご関心のある方はぜひご覧ください。

              *  *  *

 
ということで、イベントのお知らせはここまで。

              *  *  *

 同じ図書館員同士であれば、たとえ自分のシステムに関する知識が乏しく
ても、情報交換ができるコミュニティはいくつかある。
 書店員さんや版元さんとの接点も、探せばいくらかはきっとあるだろうし、
接触する機会が少ないのであれば、今回の仙台の企画のように、自分達が場
を創っていこうと考えてみるのもおもしろい。
 そういう場を創りたいけれど、どうして良いのか困っているという図書館
員の方がいるならば、できる限り協力していければと思う。

              *  *  *

 最後に、僕自身が関わって実態をよく知っている2つのコミュニティを、紹
介しておきたい。
 いずれもこの連載で何度か触れたが、ひとつは僕の主催している「公共図
書館Webサービス勉強会」。
この会は、初心者の底上げを意図していることと、現場にすぐに効くことを
志向しているので、相談事に対するサポートは(保証はないものの)かなり手
厚いように思う。普段から無理のない範囲で気軽に継続的に学べることもメ
リットだろう。
この会では、岡崎市立の件について僕の勤務先でディスカッションを実施し、
それを会にフィードバックし、メンバーの意見を貰ったこともあった。

 それともうひとつは、Code4Lib JAPAN。
こちらは、アメリカで始まった図書館システム系エンジニアのコミュニテ
ィであるCode4Libの日本支部を目指して発足した団体で、日本の図書館員の
ICTスキルを底上げするため、各地でワークショップを開催している。
この団体のワークショップは単なる技術研修にとどまらず、その場を通じて
図書館員同士の横のつながりを作り、図書館をもっとよくしたい図書館員の
コミュニティづくりも意図している点が特徴だと思う。
こちらでは、岡崎市の件を踏まえてWebサーバーのログファイルを実際に読
むワークショップを、既に1年近く前に開催している。
 
 これらのコミュニティには、システムに関心の高い図書館員が大勢いるし
知識も技術も兼ね備えた、優秀な方も何人もおられる。
また、まったくの初心者で何もわからないという人も、違和感なくいられる
場となっていると思う。

 学ばないといけない、少しでも知っておきたいという気持ちさえあれば大
丈夫。気になった方は、まず気軽にこのあたりにお立ち寄りいただければと
思う。

田圃
    http://d.hatena.ne.jp/t_rabi