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■ 「図書館の壁の穴」/ 田圃
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第39回 ワークショップのことなど

3月14日(月)に開催予定だった第4回Code4Lib JAPAN Workshopを、ようやく
6月13日(月)に実施することができた。

ここで取り上げたワークショップの題材は、国会図書館と富士山マガジン
サービスが出している目次情報のRSSを利用した「新着雑誌記事速報」とい
うシステムで、参加者それぞれが、自分の勤務する図書館にあわせてつくっ
てみようという講座だったのだが、もしご興味がある方は、こちらをご覧い
ただければと思う。

○新着雑誌記事速報
 http://lib-yuki.city.yuki.lg.jp/room_ad/sokuhou/main.html

僕の勤務先も、今回会場を提供してくださった茨城県潮来市立図書館さんも
3.11のダメージが大きく、当初の予定から仕切り直しに3か月もかかってし
まった。
3月に参加申し込みをしてくださったみなさんには、大変なご迷惑をおかけ
してしまったが、それでもともかく無事に開催できたので、まずはほっとし
ている。

6月の開催直前にも大きな余震が続いていたので、当日はまず避難経路の案
内からスタート。基本的なことだと思うが、案外忘れがちになるので、これ
は今後も余震の有無に関わらず、忘れず最初にしておこうと思った。

当日の模様はCode4Lib JAPANのブログに掲載されているので、ご関心のある
方はご覧いただければと思う。

○Code4Lib JAPANブログ(6/21のエントリー)
 http://d.hatena.ne.jp/josei002-10/20110621

              *  *  *

この潮来の会に続き、今度は名古屋で「OPAC+」を扱うワークショップが開
催される。

○Code4Lib JAPANブログ(7/4のエントリー)
 http://d.hatena.ne.jp/josei002-10/20110708
(OPACとは - Online Public Access Catalogの略。 オンライン検索できる
図書館の蔵書検索システムのこと)

OPAC+というのは、ユーザー側が図書館OPACと他のサービスとをリンクさせ
たり、検索結果に書影を表示するなど、大幅に機能拡張できるシステムで、
今回メインの講師を務められる野田市立図書館の川嶋斉氏が発案・実装され
たものだ。

野田市立図書館(トップページ中央の検索窓が「OPAC+」)
 http://www.library-noda.jp/

この仕組みを教えていただいて、僕の勤務先でも非公式ながらこんなことを
はじめている。

○ゆうき図書館PLUS
 http://www.lib-yuki.com/#1

この仕組みを応用すれば、単に検索してノーヒットでしたで終わらないOPAC
が自らの手で作れるようになる。
その手ほどきを開発者自身から受けられるこのワークショップは、有意義で
魅力的なものになるだろうと思う。

              *  *  *

先の潮来で開催したWorkshopでは、参加したいけれど自館の復旧が済んで
いないので断念したという、仙台の大学図書館に勤務する友人がいた。

彼の勤務先は、男手が少ないこともあり、復旧作業が大変な様子だったので
こちらの職場の有志と共に、2度程作業の手伝いに行ったり、ささやかなが
らメッセージをそえて物資を送ったりしたことがある。
こういうことを書くと、善行自慢っぽいかもしれないなと、特に発言せずに
いたのだけれど、この動きを察知した他の図書館の方も、早速職場で募金活
動をして送金したりと、それぞれの立場で支援したことを知って、ちょっと
したきっかけが大きな広がりになるのを感じ、考えが変わってきた。
要は、必要としている人の役に立てばいいのだ。

現に、SaveMLAKによる東北学院大学中央図書館のボランティアツアーは、図
書館員によるボランティアの入り口としては非常に有意義だったと思う。

東北学院大学ホームページ「お知らせ」
 http://www.tohoku-gakuin.ac.jp/news/110627-4.shtml

ちなみに今回僕達が手伝いに行った、同大学の泉キャンパス図書館では、開
架フロアの書籍の落下防止のために、こんな(↓)工夫をしていた。

○棚の前にロープを張った画像
 http://p.tl/DlOJ

この結び方だと、結び目の位置が自在に変えられるので、本を取り出すとき
には少し緩めて、あとから再び張り直すのも容易だ。
何より、低コストである程度の安全対策ができるのが良いと思う。

ちなみにこの結び方は、こちらに詳しく掲載されている。

○ロープの結び方(千住消防団の方の個人サイト)
 http://www.roy.hi-ho.ne.jp/asunoro/s3cont/r_work/jizai.html

ともかく、この仙台の友人とのやりとりが発端となって、数か月後に仙台で
何かワークショップをやってみようということになり、いま準備を進めてい
る。
また現地からの要望として、ワークショップとあわせて仙台の書店や出版関
係の方も交えた交流会を催したいという話も出ている。
確かに、図書館と書店・出版業界は隣接していながら、リアルな接点が少な
いと感じているので、そういった意味でも良い機会になれればうれしく思う。

開催時期は、9月下旬くらいになるだろう。
本稿は隔月連載なので、次回にはきちんとお知らせできるよう進めていきた
い。

こうして東北との縁が深まったことを、今後も前向きな形で活かしていけれ
ばと思う。

田圃
    http://d.hatena.ne.jp/t_rabi